essay

息継ぎ上手は恋上手

 サッカーW杯予選にはじまり、コンフェデレーションズカップ、世界バレー、世界水泳、またまた東アジアサッカー選手権、そして世界陸上と、スポーツファンにとっては息継ぐ暇もない今日この頃。
 おかげですっかり寝不足の毎日だけど、SHINJOの体を夢見る僕にとっては、かなりモチベーションを上げてくれる連日連夜のスポーツ放映。真夜中にテレビを見ながら腹筋、背筋、腕立て、ついでにヒンズースクワットに、おいっちに、おいっちにといそしんでおります。

 息継ぐ暇もないと言えば、シンクロ。フランスのデデューは圧巻だった。マイケル・ジョーダン全盛期の頃のように別世界の人でした。
 世界の舞台に立てるスポーツ選手たちは、みーんな想像を絶するくらいすごいというのに、その中でも飛び抜けているって、一体どういうこと? マイケル・ジョーダンが神にたとえられたように、デデューはまさに人魚だった。マイケル・ジョーダンのプレーが芸術だったように、デデューの演技も、人間国宝にしたいような域に達していた。
 引退するとかしないとか・・・ いろいろな人生の目標があるのだろうから、軽々しく復帰してほしいとは言わないが、もう一度世界の舞台で、本気勝負の演技を見たいと思うのは、僕だけではないはず。

 さて、息継ぎと言えばもうひとつ。以前から気になっていたのが、シンガーたちの息継ぎ。
 感情を込めたテクニックとして聞かせる息継ぎは別として、妙に息継ぎが聞こえるシンガーが多い。アイドル系は仕方ないとしても、本格派と言われている平井堅、平原綾香をはじめ、いわゆるR&B系のディーバにも多数いらっしゃる。
 どうなんでしょう、あれって?
 僕は聞いててどうにも苦しくなってきちゃって、思わず深呼吸しちゃったりする。あー、美空ひばりや布施明や岩崎宏美の歌が聞きたーい、っていう衝動にかられるんだよね。
 ライブだけじゃなくて、CDでもそうだってことは、あえて入れているのだろうか? だって、今時、息継ぎだけカットするくらいちょちょいのちょいでしょ?
 不思議だ、不思議だぁーっ! 気にならないのかなぁ? みんなどーよ?

 そう言えば僕は小さい頃からクロールが苦手だった。息継ぎがなかなかうまくできないのである。
 クロールがカッコよく泳げないって、なんだか男として「ダメだ、お前!」って言われたみたいで、結構切ない。
 だって、彼女と初めての夏は、やっぱりプールでおデートってあるでしょ? なんとなく水着でいちゃいちゃしてるのって、たまんないよね? でも、そんな時、ほんの何メートルかでも、クロールじゃなくて、平泳ぎだったりしたらどうなの? なんか、ちょっとダサくない?
 実は平泳ぎは得意で、こっちはうまく息継ぎができる。横浜市の大会までは行った経験があるので、そこそこです。なのになのに、クロールの息継ぎがどうもうまくいかない。ましてやバタフライなんて当然できねぇー!
 ホテルのプールで、さりげなくバタフライなんかできちゃったらカッコいいのになぁ。そのためには、体鍛えて、腹筋6つに割って、日に焼けた黒い肌になって、ブーメランパンツが似合う人にならなくちゃね。ムリっ!

 水泳も、歌も、人生も、恋も、息継ぎ上手にならなくっちゃだね?!

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