essay

10kg減

 約3か月で10kg痩せた。
 どうだ! 中年のおじさんよ、女の子たちよ、うらやましいだろう! ハッハッハッ! ちょっと自慢。

 実は、去年の暮れ、突然左足の人差し指が痛くなった。靴も履けないほど、歩くのもやっとなほどだ。ん? これってもしかして? 痛風!? でも普通は親指でしょ?
 さっそく病院へ行き、採血して調べてもらったら、
「痛風ではありません。筋を痛めたのでしょう」
 だって。なーんだ、よかった。そうだよそうだよ、この僕が痛風なわけないもんね。だいたいそういう家系じゃないし。
 ところが、医者は続けて言った。
「それより、コレステロール値が高すぎます。このままだと一生薬を飲まなければならなくなりますよ」
 がーんっ!

 必ずしも、コレステロール値と食べ過ぎ、体重とは一致しないのかもしれないが、単純に、まず痩せよう!と思った。
 今までにも、魚中心の食事にしてみたり、よく噛んで食べようなんてことにトライしてみたことはあるが、どれも長続きしなかった。だいたい本気で取り組もうという気持ちもなかった。
 食べることが大好きな僕は、社会人になってから5kg、結婚してから5kg、計10kg太った。どんなに週1、2回バスケットボールをやっていようが、若い頃とは新陳代謝も違う。あの頃と同じだけ食べていては、どんどん太る。しかも筋肉は衰える一方で、見憎くも腹回りや背中に脂肪がついていく。
 いかーん! これじゃあいかん! いざという時、服を脱いでもカッコ良くなければ! 新庄や池谷(弟)のような体を作らなければ!

 そこで思いついたのが炭水化物ダイエット。炭水化物以外の物は腹一杯食べても平気だというならできるかもしれない。米、パスタ、麺類などが大好きで、おかずなんていらないほどだったが、かと言って、お腹のすくダイエットはいやだ。毎食、肉、魚、野菜はもりもり食べて、米は茶碗にかるーく食べていいことにした。

 パンパカパーン! これがピタリとはまった。正月明けから初めて、1か月で5kg、その後カクンカクンとおもしろいように下がり、約3か月で10kg。
 自分でも信じられない。体重計に乗るのが楽しみになってしまった。
 最初は大好きな米が食べられないのが少し苦しかったが、それもすぐに慣れた。だいたい今まで茶碗に2杯も3杯も食べていたのがおかしかったんだ。胃が自然と小さくなり、1回に食べられる量も減った。小腹が減って、コンビニに駆け込んでも、おにぎりやパンなどの炭水化物しかないから我慢もする。
 最近は、会う人会う人に「痩せた?」と聞かれるくらい顔にも影響が出てきた。あこがれの小顔? んなわきゃない。

 それにしてもよく考えてみると10kgも余計なものがついていたということだ。あぁ恐ろしい。
 この年であんまり痩せているのもみすぼらしい。脂肪も取れてきたことだし、そろそろ筋トレして、筋肉をつけなければ。体重を少なくすることが目的ではない。きれいな体を作ることが目的。

 で、コレステロール。
 実はまだあれ以来検査してもらってません。行かなくちゃ行かなくちゃと思いながら、ちょっと躊躇している。こんだけやって、なんにも変わらなかったらどうしよう? そろそろ覚悟を決めて行かなくちゃ!

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