essay

あまのじゃく へそまがり ひねくれもの

 どうも自分はあまのじゃくなのではないかと、常々思っている。
 どういうわけか、売れている物、体制を占めている物、マジョリティーに反発したくなる。みんなと同じであることが許せないのである。
 このホームページを作っているパソコンは、もちろんウィンドウズマシーンではなくマッキントッシュである。
 携帯電話は仕事用がau、プライベート用がJ-フォン。ドコモではない。
 浜崎あゆみ? どうしてもとお願いされれば考えないこともないが、興味はない。いやいや、もちろんどうしてもとお願いされるわけはないのだが。
 宇多田ヒカル? あんな歌い方でいいのでしょうか? あれはビブラートではなく、ただのちりめんでしょう。違うの?
 僕の好きなミュージシャン? うーん、例えば安部恭弘。知らないだろうなぁー。
 どんなにお金があったとしてもベンツに乗りたいとは思わないし、アルマーニの服を着て、フェラガモの靴履いて、女の子にティファニーやヴィトンでプレゼントを買ってあげたいとは思わない。
 洋服屋で迷っている時、店員に「今これ流行ってるんですよー」と勧められると、絶対に買いたくなくなる。みんなが着ているのなら僕は着たくない。なぜみんなと同じ物を着なければいけないんだ。そんなことをさも当たり前のように言う店はさっさと出てくる。

 やっぱりただのあまのじゃくなのである。へそまがりとも言うのだろうか。ひねくれものとも言うのだろうか。いい悪いの問題ではないのである。

 ウィンドウズ? 実は結構使いやすい。だいたいマックもOS Xになってからはマイクロソフト化してしまって、なんだかつまらない。
 ドコモ? さすがに品質はしっかりしているし、どこでもつながる。
 浜崎あゆみ? 宇多田ヒカル? 売れてなんぼや。
 ベンツ? いいクルマだ。
 アルマーニ? フェラガモ? ティファニー? ヴィトン? みーんなそれなりに上等じゃーん!
 でもどうしても心が動かないんあだなぁー。

 さらに僕がいやなのは、売れているからというだけの理由でそれを購入する人だ。自分の価値判断はないのだろうか? しっかりとした調査をした上で、そこにはっきりとした理由があって、やはり自分にはこれが一番いいと考えて買った物が、たまたま売れている物だったというのなら全く問題ない。でも、みんなが持ってるからとか、流行ってるからという理由だけで買う人の気持ちが僕にはよくわからない。ほんとにひねくれててごめんなさい。

 最近メガネが安い。レンズ付きで5,000円なんていうのもある。しかもメガネ屋が多くなったし、メガネの種類も多くなった。多少値は張るのだが、いいメガネを誠実に売っている店も増えてきた。メガネ好きな僕は、ついつい街を歩くたびに、ふらーっと誘われてメガネ屋に入ってしまう。
 先日、あるメガネ屋に入った時のこと。いかにもファッションに気を使ってまーすってなお兄さんが、メガネをさがしていた。するとそこに満面の笑みを浮かべた店員さん。
「どんなのをおさがしですか? こちらなんか今とっても流行ってますよぉー!」
 もちろんそのお兄さんは無言でその店を出ていった。いいぞいいぞー。がんばれ!青年。
 マニュアル通りの応対も、お客さんの顔を見て変えなくちゃね。

 でもこういう人って(僕もだけど)、少数派である自分に満足してたりするんだよね。

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